さいこうの夜 彩篇 Bルート
アイドルたちが風邪を引く前にここを出ようと、急いで壁を調べることにした。
キリオは嬉しそうに、笑顔を見せた。
「実はこの壁を見た時から、きゅぴぴーんと、宇宙のぱわぁを感じていたぞなもし!」 その時だった。
ズゴゴゴゴゴゴ……!
いったい何がきっかけだったのだろう。
なんと、出っ張っていた部分の壁が、少しずつ開き始めた!
やはり、キリオの言う通り、向こう側に部屋があったのだ!!
ぼくたちは目を輝かせ、扉が開いていくのを見ていたが……。
「……えっ!?」
「なんですか、これは……」
扉の向こうに現れたのは、宇宙だった……。
無数に浮かぶ惑星。
遠くの方で瞬く星々。
そして、見たことのない宇宙船……。
「これぞ、宇宙のぱわぁでにゃんす!」
困惑するぼくの横で、キリオが歓喜の声を上げる。
まさか本当に、宇宙のパワーがぼくたちを導いたというのか……?
それとも、何かのトリックなのか?
わからない、頭がおかしくなりそうだ……。
その時、謎の引力に引き寄せられ、ぼくたちの体は異常なほど強い力で宇宙へと引っ張られ始めた。
「まずいよ、プロデューサーちゃん!」
「くっ……! このままでは……!」
「吸い込まれるでにゃんす~!」
必死の抵抗も虚しく、ぼくたちは扉の中へ吸い込まれて行った。
そして……。
「みんな~! 今日は来てくれて、ありがとうでにゃんす~!」
「奥のお客さんたちも、しっかり見えてるよ~!」
「私たちの和の心、どうか感じていってください!」
広大な銀河のステージで、たくさんの歓声が響く。
華やかな舞台で歌い、踊る3人の笑顔は、地球にいた頃と全く変わっていない。
あのあと、親切な宇宙人に拾われたぼくたちは、地球へと帰る方法を探しながら、旅を続けていた。
その道中、『宇宙アイドル・彩』として、華々しく再デビューを果たした3人は、銀河をまたにかけて、アイドル活動に奮闘している。
プロデューサーは、もちろんぼく。
慣れない環境で、つまずきそうになった事もあったがその度に4人で支え合い、乗り越えてきた。
今では活動も安定し始め、忙しくも、充実した毎日を送っている。
「プロデューサークン、今日のらいぶはどうだったでにゃんすか?」
「アタシのパート、バッチリ決まってたでしょ?」
「和の心、お伝えできていたでしょうか?」
お疲れさま!
ステージを終えた彩を、ぼくは笑顔で迎え入れた。
地球へ戻れる日がいつになるのか、今はまだわからない。
けれど、ぼくたちはきっと諦めないだろう。
そして、その日まで、力一杯歌うのだ。
この広大な宇宙で、少しでも和の心が伝わるように。
終
キリオは嬉しそうに、笑顔を見せた。
「実はこの壁を見た時から、きゅぴぴーんと、宇宙のぱわぁを感じていたぞなもし!」 その時だった。
ズゴゴゴゴゴゴ……!
いったい何がきっかけだったのだろう。
なんと、出っ張っていた部分の壁が、少しずつ開き始めた!
やはり、キリオの言う通り、向こう側に部屋があったのだ!!
ぼくたちは目を輝かせ、扉が開いていくのを見ていたが……。
「……えっ!?」
「なんですか、これは……」
扉の向こうに現れたのは、宇宙だった……。
無数に浮かぶ惑星。
遠くの方で瞬く星々。
そして、見たことのない宇宙船……。
「これぞ、宇宙のぱわぁでにゃんす!」
困惑するぼくの横で、キリオが歓喜の声を上げる。
まさか本当に、宇宙のパワーがぼくたちを導いたというのか……?
それとも、何かのトリックなのか?
わからない、頭がおかしくなりそうだ……。
その時、謎の引力に引き寄せられ、ぼくたちの体は異常なほど強い力で宇宙へと引っ張られ始めた。
「まずいよ、プロデューサーちゃん!」
「くっ……! このままでは……!」
「吸い込まれるでにゃんす~!」
必死の抵抗も虚しく、ぼくたちは扉の中へ吸い込まれて行った。
そして……。
「みんな~! 今日は来てくれて、ありがとうでにゃんす~!」
「奥のお客さんたちも、しっかり見えてるよ~!」
「私たちの和の心、どうか感じていってください!」
広大な銀河のステージで、たくさんの歓声が響く。
華やかな舞台で歌い、踊る3人の笑顔は、地球にいた頃と全く変わっていない。
あのあと、親切な宇宙人に拾われたぼくたちは、地球へと帰る方法を探しながら、旅を続けていた。
その道中、『宇宙アイドル・彩』として、華々しく再デビューを果たした3人は、銀河をまたにかけて、アイドル活動に奮闘している。
プロデューサーは、もちろんぼく。
慣れない環境で、つまずきそうになった事もあったがその度に4人で支え合い、乗り越えてきた。
今では活動も安定し始め、忙しくも、充実した毎日を送っている。
「プロデューサークン、今日のらいぶはどうだったでにゃんすか?」
「アタシのパート、バッチリ決まってたでしょ?」
「和の心、お伝えできていたでしょうか?」
お疲れさま!
ステージを終えた彩を、ぼくは笑顔で迎え入れた。
地球へ戻れる日がいつになるのか、今はまだわからない。
けれど、ぼくたちはきっと諦めないだろう。
そして、その日まで、力一杯歌うのだ。
この広大な宇宙で、少しでも和の心が伝わるように。
終