さいこうの夜 Café Parade篇 Aルート
ぼくは足元の地面を踏みしめながら、考えを巡らせた。
確かに、床は土のようなので、扉の下を掘って向こう側へ行くことは可能だろう。
それに、土を掘るだけなら、扉を傷つけて小林夫妻に迷惑をかける事もない。
だが……。
ぼくはアイドルのプロデューサーだ。
これ以上、みんなの身体を冷やすことは避けたかった。
それに、昼間のスノーボードで、すっかり疲れているであろうアイドルの身体に、これ以上の負担を掛けたくない。
そこでぼくは、まずは鍵を探しに行こうと提案することにした。
「それもそうですね」
ぼくの言葉に東雲さんがうなずく。
アスランも快諾してくれ、ぼくたちは一度、上の階に戻ることにした。
「んー、ここにもないよー。ロール、そっちはどう?」
「うーん、こっちもそれらしい鍵は見つからないなー」
ぼくたちは手分けして、謎の扉を開ける鍵を探していた。もちろん、小林夫妻に失礼がないよう、非常識な部分は触れないように、だ。
すると、東雲さんと神谷さんが、首を傾げながらぼくの元へやって来た。
「考えたんですが……そもそも、鍵ってあるんでしょうか? 確かに施錠はされているようでしたが、鍵穴は見ていませんよね?」
「プロデューサーさん。ここは一度地下へ戻って……」
ぼくたち3人が、地下室へ戻ろうかと相談している時だった。 「あーっ!!?」
キッチンの方から、大声が聞こえた。
あれは紛れもなく巻緒の声だ。ぼくたちが話している間に、キッチンの方へ移動したらしい。
まさか、鍵が見つかったのだろうか?
それとも、もっと重要な何かが……。
ぼくたちは、大急ぎで厨房へと走った。
「うわー! 小林さんの奥さんが作ったのかなー? パピッと美味しそうなケーキ!」
「そうだよね!? これきっと、ミシシッピマッドケーキだよ! ちょっとひと口……」
「マキオ、糧を摘みし罪深き者には、罰が待っているのだぞ?」
そこには、手作りケーキを見つけてはしゃぐ、巻緒たちの姿があった。
どうやら、彼はケーキを見つけて思わず叫んだらしい。
ぼくたちはホッと胸を撫で下ろした。
その後、ぼくはみんなと相談し、一度社長の元へ戻ることにした。
地下室を調べるにしても、ぼくだけで十分だ。
何よりせっかく温まったアイドルたちの身体を再び冷やしたくはない。
ぼくはみんなに、少し休憩を取るように告げ、その場を後にした。
社長は落ち着きのない様子でソファに腰掛けていた。
ぼくに気づくと、
NEXT→
確かに、床は土のようなので、扉の下を掘って向こう側へ行くことは可能だろう。
それに、土を掘るだけなら、扉を傷つけて小林夫妻に迷惑をかける事もない。
だが……。
ぼくはアイドルのプロデューサーだ。
これ以上、みんなの身体を冷やすことは避けたかった。
それに、昼間のスノーボードで、すっかり疲れているであろうアイドルの身体に、これ以上の負担を掛けたくない。
そこでぼくは、まずは鍵を探しに行こうと提案することにした。
「それもそうですね」
ぼくの言葉に東雲さんがうなずく。
アスランも快諾してくれ、ぼくたちは一度、上の階に戻ることにした。
「んー、ここにもないよー。ロール、そっちはどう?」
「うーん、こっちもそれらしい鍵は見つからないなー」
ぼくたちは手分けして、謎の扉を開ける鍵を探していた。もちろん、小林夫妻に失礼がないよう、非常識な部分は触れないように、だ。
すると、東雲さんと神谷さんが、首を傾げながらぼくの元へやって来た。
「考えたんですが……そもそも、鍵ってあるんでしょうか? 確かに施錠はされているようでしたが、鍵穴は見ていませんよね?」
「プロデューサーさん。ここは一度地下へ戻って……」
ぼくたち3人が、地下室へ戻ろうかと相談している時だった。 「あーっ!!?」
キッチンの方から、大声が聞こえた。
あれは紛れもなく巻緒の声だ。ぼくたちが話している間に、キッチンの方へ移動したらしい。
まさか、鍵が見つかったのだろうか?
それとも、もっと重要な何かが……。
ぼくたちは、大急ぎで厨房へと走った。
「うわー! 小林さんの奥さんが作ったのかなー? パピッと美味しそうなケーキ!」
「そうだよね!? これきっと、ミシシッピマッドケーキだよ! ちょっとひと口……」
「マキオ、糧を摘みし罪深き者には、罰が待っているのだぞ?」
そこには、手作りケーキを見つけてはしゃぐ、巻緒たちの姿があった。
どうやら、彼はケーキを見つけて思わず叫んだらしい。
ぼくたちはホッと胸を撫で下ろした。
その後、ぼくはみんなと相談し、一度社長の元へ戻ることにした。
地下室を調べるにしても、ぼくだけで十分だ。
何よりせっかく温まったアイドルたちの身体を再び冷やしたくはない。
ぼくはみんなに、少し休憩を取るように告げ、その場を後にした。
社長は落ち着きのない様子でソファに腰掛けていた。
ぼくに気づくと、
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