さいこうの夜 THE 虎牙道篇 その1 Aルート
「まさか……ついて来いって言ってるのか?」
タケルの一言にぼくは頷く。
そして、猫の後を追うことを提案した。
猫の後を追って、ぼくたちはペンションの外までやってきた。
……さむっ。
薄着で出てきてしまったぼくらにとって、外は極寒の大地も同然だ。
「ン? おい、らーめん屋、今なんか割ったか?」
「割る? さすがにどんぶりは持ってきてきてないぞ」
「フン、なんでもねー。気のせいか?」
漣が珍しく少し考えたような顔をしている。
どこかでものが割れるような音でもしたのだろうか?
しかし今、そんなことを気にしている場合ではない。
3人が風邪を引いたら大変だ。
風が強く思ったよりも寒い。
できる限り早く戻ろうとぼくは思った。
猫はチリンチリンと鈴を鳴らし、僕たちを誘導するように雪の中を進んでいく。(※「僕」→「ぼく」)
吹雪のせいで視界も良くない。
僕たちは音を頼りに歩いた。(※「僕」→「ぼく」)
すると、ペンション隣にある小屋の近くで、響いていた鈴の音が止んだ。
「小屋?」
「きっとショプールの納屋だろうな。でも、なんでこんなところに?」
「……ぶえっくしゅ! さっみぃ! いいからさっさと中入れ!」
連の提案には僕も賛成だ。(※「連」→「漣」、「僕」→「ぼく」)
小屋の扉には鍵がついていないようだ。
扉を押して、ぼくたちが中へ入ると……。
「ミャー」「ニャッ」
「ミャァァ」「ニュアァ」
「ニャー」「ミニャァ」
「ボアァァ」
ぼあぁ?
まぁ、いい。
可愛らしい7匹の子猫たちの呼び声に、ぼくたちの凍えた体がほんわかと温まったような気がした。
その子猫たちは、ぼくたちを誘導した猫の子供のようだった。
猫が戻ると、母親にすり寄り、じっと身を寄せ合って震えていた。
どこか元気のない様子だ。
「あ、師匠! あれを……!」
円城寺さんの指差す方を見ると、壊れた窓から雪が入り込んで子猫たちの体を濡らしている。
きっとこの状況をなんとかしてほしくて、ぼくたちをここまで案内したのだろう……!
「プロデューサー、このままじゃこいつらが風邪を引く。一緒にペンションに連れて帰りたい」
ぼくはこくりとうなずいた。
小林夫妻が帰ったら、ぼくから説明して、営業の邪魔にならない範囲で協力をお願いしよう……!
ぼくは急いでジャケットを脱ぎ、そっと子猫たちを包んだ。
パチパチと燃える暖炉の火が、ぼくとTHE 虎牙道、そして猫たちの体を温める。
事務所から持ってきた籠の中でタオルに包まれ、子猫たちは体を休めていた。
「クソッ、動くんじゃねー、コラ!」
漣には特に体が濡れた子をタオルで拭いてほしいと頼んだ。円城寺さんには暖炉にもっと薪をくべてもらうよう、タケルは事務所から持ってきた備品で使えそうなものがないか探してもらっている。
「よし。これでもう少し暖かくなるッスよ」
「プロデューサー、カイロがあった。使えそうか?」
円城寺さんとタケルが戻ってきた。
「オラ、オレ様が拭いてやったんだ。感謝しやがれ」
そう言って漣が抱えた子猫を籠に戻す。
これで一安心だ。
猫たちの顔色も、さっきより良くなっているような気がする。
先ほどの母猫が、お礼を言うようにタケル、漣、円城寺さんに額を摺り寄せた。
「な、テメェ、あんまり顔をこすりつけんな!」
「良かったな、オマエ。子供たちが無事で。」(※通常「。」はないのが正解)
「そうだな。今日はここでゆっくりするといい」
母猫は3人の言葉に返事をするように鳴いた。
その時、ちょうど良いタイミングで社長が談話室まで戻ってきた。
ぼくらが帰ってきた時、社長はちょうどトイレに行っていて、談話室を出ていたらしい。
どおりで僕らが戻った時にいなかったワケだ。
そして……
NEXT→
タケルの一言にぼくは頷く。
そして、猫の後を追うことを提案した。
猫の後を追って、ぼくたちはペンションの外までやってきた。
……さむっ。
薄着で出てきてしまったぼくらにとって、外は極寒の大地も同然だ。
「ン? おい、らーめん屋、今なんか割ったか?」
「割る? さすがにどんぶりは持ってきてきてないぞ」
「フン、なんでもねー。気のせいか?」
漣が珍しく少し考えたような顔をしている。
どこかでものが割れるような音でもしたのだろうか?
しかし今、そんなことを気にしている場合ではない。
3人が風邪を引いたら大変だ。
風が強く思ったよりも寒い。
できる限り早く戻ろうとぼくは思った。
猫はチリンチリンと鈴を鳴らし、僕たちを誘導するように雪の中を進んでいく。(※「僕」→「ぼく」)
吹雪のせいで視界も良くない。
僕たちは音を頼りに歩いた。(※「僕」→「ぼく」)
すると、ペンション隣にある小屋の近くで、響いていた鈴の音が止んだ。
「小屋?」
「きっとショプールの納屋だろうな。でも、なんでこんなところに?」
「……ぶえっくしゅ! さっみぃ! いいからさっさと中入れ!」
連の提案には僕も賛成だ。(※「連」→「漣」、「僕」→「ぼく」)
小屋の扉には鍵がついていないようだ。
扉を押して、ぼくたちが中へ入ると……。
「ミャー」「ニャッ」
「ミャァァ」「ニュアァ」
「ニャー」「ミニャァ」
「ボアァァ」
ぼあぁ?
まぁ、いい。
可愛らしい7匹の子猫たちの呼び声に、ぼくたちの凍えた体がほんわかと温まったような気がした。
その子猫たちは、ぼくたちを誘導した猫の子供のようだった。
猫が戻ると、母親にすり寄り、じっと身を寄せ合って震えていた。
どこか元気のない様子だ。
「あ、師匠! あれを……!」
円城寺さんの指差す方を見ると、壊れた窓から雪が入り込んで子猫たちの体を濡らしている。
きっとこの状況をなんとかしてほしくて、ぼくたちをここまで案内したのだろう……!
「プロデューサー、このままじゃこいつらが風邪を引く。一緒にペンションに連れて帰りたい」
ぼくはこくりとうなずいた。
小林夫妻が帰ったら、ぼくから説明して、営業の邪魔にならない範囲で協力をお願いしよう……!
ぼくは急いでジャケットを脱ぎ、そっと子猫たちを包んだ。
パチパチと燃える暖炉の火が、ぼくとTHE 虎牙道、そして猫たちの体を温める。
事務所から持ってきた籠の中でタオルに包まれ、子猫たちは体を休めていた。
「クソッ、動くんじゃねー、コラ!」
漣には特に体が濡れた子をタオルで拭いてほしいと頼んだ。円城寺さんには暖炉にもっと薪をくべてもらうよう、タケルは事務所から持ってきた備品で使えそうなものがないか探してもらっている。
「よし。これでもう少し暖かくなるッスよ」
「プロデューサー、カイロがあった。使えそうか?」
円城寺さんとタケルが戻ってきた。
「オラ、オレ様が拭いてやったんだ。感謝しやがれ」
そう言って漣が抱えた子猫を籠に戻す。
これで一安心だ。
猫たちの顔色も、さっきより良くなっているような気がする。
先ほどの母猫が、お礼を言うようにタケル、漣、円城寺さんに額を摺り寄せた。
「な、テメェ、あんまり顔をこすりつけんな!」
「良かったな、オマエ。子供たちが無事で。」(※通常「。」はないのが正解)
「そうだな。今日はここでゆっくりするといい」
母猫は3人の言葉に返事をするように鳴いた。
その時、ちょうど良いタイミングで社長が談話室まで戻ってきた。
ぼくらが帰ってきた時、社長はちょうどトイレに行っていて、談話室を出ていたらしい。
どおりで僕らが戻った時にいなかったワケだ。
そして……
NEXT→