さいこうの夜 THE 虎牙道篇 その2Aルート
「まさか……ついて来いって言ってるのか?」
どうやらそのようだ。
ぼくたちは、猫の後を追うことにした。
猫の後を追って、ぼくたちはペンションの外までやってきた。
……さむい。
薄着で出てきてしまったぼくらにとって、外は極寒の大地も同様だ。
「ン? おい、らーめん屋、今なんか割ったか?」
「割る? さすがにどんぶりは持ってきてないぞ」
「フン、なんでもねー。気のせいか?」
漣が珍しく少し考えたような顔をして、後ろのショプールを振り返って、2階の部屋を見ている。
どこかで窓でも割れたのだろうか?
しかし今、そんなことを気にしている場合ではない。3人が風邪を引いたら大変だ。
できる限り早く戻ろうとぼくは思った。
猫はチリンチリンと鈴を鳴らし、僕たちを誘導するように雪の中を進んでいく。(※「僕」→「ぼく」表記ブレ)
吹雪のせいで視界もよくない。
僕たちは音を頼りに歩いた。(※「僕」→「ぼく」表記ブレ)
すると、ペンション隣にある小屋の近くで、響いていた鈴の音が止んだ。
「ここは?」
「<小さな納屋>だな。ショプールのものだと思うが……」
「……ぶえっくしゅ! さっみぃ! いいからさっさと中入れ!」
ぼくたちは凍えまいと、急いで小屋に駆け込んだ。
小屋の扉には鍵がついていないようだ。
扉を押して、ぼくたちが中へ入ると……
「ミャー」「ニャッ」
「ミャァァ」「ニュアァ」
「ニャー」「ミニャァ」「ボアァァ」
ぼあぁ? まぁ、いい。
可愛らしい7匹の子猫たちの鳴き声に、ぼくたちの凍えた体がほんわかと温まったような気がした。
その子猫たちは、ぼくたちを誘導した猫の子どものようだった。
猫が戻ると、母親にすり寄り、じっと身を寄せ合って震えていた。
どこか元気のない様子だ。
「あ、師匠! あれを……!」
円城寺さんの指差す方を見ると、壊れた窓から雪が入り込んで子猫たちの体を濡らしていた。
きっとこの状況をなんとかしてほしくて、ぼくたちをここまで案内したのだろう。
「プロデューサー、このままじゃこいつらが風邪を引く。一緒にペンションへ連れて帰れないか」
勝手に動物を連れ込むのは気が引けるが、このまま放っておくことはできない。
小林夫妻が帰ったら説明して、営業の邪魔にならない範囲で協力をお願いしよう。
ぼくは急いでジャケットを脱ぎ、子猫たちを包んだ。
ん? 子猫たちのそばに見覚えのあるペンが……
パチパチと燃える暖炉の火が、ぼくとTHE 虎牙道、そして猫たちの体を温めた。
子猫たちはタオルに包まれ、体を休めていた。
「クソッ、動くんじゃねー、コラ!」
漣には特に体が濡れていた子をタオルで拭いてほしいと頼んでいた。
円城寺さんには暖炉にもっと薪をくべてもらうよう、タケルは事務所から持ってきた備品で使えそうなものがないか探してもらっている。
「よし。これでもう少し暖かくなるッスよ」
「プロデューサー、カイロがあった。使えそうか?」
円城寺さんとタケルが戻ってきた。
「オラ、オレ様が拭いてやったんだ。感謝しやがれ」
漣は抱えた子猫を戻した。
これで一安心だ。
子猫たちもさっきより元気になったようだ。
先ほどの母猫が、お礼を言うようにタケル、漣、円城寺さんに頼を摺り寄せた。
「な、テメェ、あんまり顔をこすりつけんな!」
「よかったな、オマエ。子供たちが無事で。」(※通常台詞の文末に「。」はなし)
「そうだな。今日はここでゆっくりするといい」
母猫は3人の言葉に返事をするように鳴いた。
猫は無事救出できた、次は賢君を探さなければ。
ぼくは、小さな納屋で拾ったペンを握りしめた。
これと同じものを賢君が持っていたような気がする。
と言うことは....。
その時、ちょうどいいタイミングで社長が談話室まで戻ってきた。
社長も辺りを捜索していたが、まだ賢君は見つかっていないらしい。
そして……
NEXT→
どうやらそのようだ。
ぼくたちは、猫の後を追うことにした。
猫の後を追って、ぼくたちはペンションの外までやってきた。
……さむい。
薄着で出てきてしまったぼくらにとって、外は極寒の大地も同様だ。
「ン? おい、らーめん屋、今なんか割ったか?」
「割る? さすがにどんぶりは持ってきてないぞ」
「フン、なんでもねー。気のせいか?」
漣が珍しく少し考えたような顔をして、後ろのショプールを振り返って、2階の部屋を見ている。
どこかで窓でも割れたのだろうか?
しかし今、そんなことを気にしている場合ではない。3人が風邪を引いたら大変だ。
できる限り早く戻ろうとぼくは思った。
猫はチリンチリンと鈴を鳴らし、僕たちを誘導するように雪の中を進んでいく。(※「僕」→「ぼく」表記ブレ)
吹雪のせいで視界もよくない。
僕たちは音を頼りに歩いた。(※「僕」→「ぼく」表記ブレ)
すると、ペンション隣にある小屋の近くで、響いていた鈴の音が止んだ。
「ここは?」
「<小さな納屋>だな。ショプールのものだと思うが……」
「……ぶえっくしゅ! さっみぃ! いいからさっさと中入れ!」
ぼくたちは凍えまいと、急いで小屋に駆け込んだ。
小屋の扉には鍵がついていないようだ。
扉を押して、ぼくたちが中へ入ると……
「ミャー」「ニャッ」
「ミャァァ」「ニュアァ」
「ニャー」「ミニャァ」「ボアァァ」
ぼあぁ? まぁ、いい。
可愛らしい7匹の子猫たちの鳴き声に、ぼくたちの凍えた体がほんわかと温まったような気がした。
その子猫たちは、ぼくたちを誘導した猫の子どものようだった。
猫が戻ると、母親にすり寄り、じっと身を寄せ合って震えていた。
どこか元気のない様子だ。
「あ、師匠! あれを……!」
円城寺さんの指差す方を見ると、壊れた窓から雪が入り込んで子猫たちの体を濡らしていた。
きっとこの状況をなんとかしてほしくて、ぼくたちをここまで案内したのだろう。
「プロデューサー、このままじゃこいつらが風邪を引く。一緒にペンションへ連れて帰れないか」
勝手に動物を連れ込むのは気が引けるが、このまま放っておくことはできない。
小林夫妻が帰ったら説明して、営業の邪魔にならない範囲で協力をお願いしよう。
ぼくは急いでジャケットを脱ぎ、子猫たちを包んだ。
ん? 子猫たちのそばに見覚えのあるペンが……
パチパチと燃える暖炉の火が、ぼくとTHE 虎牙道、そして猫たちの体を温めた。
子猫たちはタオルに包まれ、体を休めていた。
「クソッ、動くんじゃねー、コラ!」
漣には特に体が濡れていた子をタオルで拭いてほしいと頼んでいた。
円城寺さんには暖炉にもっと薪をくべてもらうよう、タケルは事務所から持ってきた備品で使えそうなものがないか探してもらっている。
「よし。これでもう少し暖かくなるッスよ」
「プロデューサー、カイロがあった。使えそうか?」
円城寺さんとタケルが戻ってきた。
「オラ、オレ様が拭いてやったんだ。感謝しやがれ」
漣は抱えた子猫を戻した。
これで一安心だ。
子猫たちもさっきより元気になったようだ。
先ほどの母猫が、お礼を言うようにタケル、漣、円城寺さんに頼を摺り寄せた。
「な、テメェ、あんまり顔をこすりつけんな!」
「よかったな、オマエ。子供たちが無事で。」(※通常台詞の文末に「。」はなし)
「そうだな。今日はここでゆっくりするといい」
母猫は3人の言葉に返事をするように鳴いた。
猫は無事救出できた、次は賢君を探さなければ。
ぼくは、小さな納屋で拾ったペンを握りしめた。
これと同じものを賢君が持っていたような気がする。
と言うことは....。
その時、ちょうどいいタイミングで社長が談話室まで戻ってきた。
社長も辺りを捜索していたが、まだ賢君は見つかっていないらしい。
そして……
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