さいこうの夜 F-LAGS篇
Legendersの3人を探す。
彼らは一足先に談話室を出ようとしていた。
賢君を探すにあたって、一緒に行動してもいいかと尋ねると、3人は快く承諾してくれた。
「それにしても、イソギンチャクに飲まれたように唐突に消えてしまうとは……無事だといいのですが」
「そうだな。とりあえず、このペンション内の全ての部屋を回ってみるか」
古論さんと葛之葉さんの会話に、ぼくはうなずいた。
いろいろなところを回ってみたものの、ペンション内のどの部屋にも賢君はいない。
もう一度、回り直すか……。
気を取り直して歩みを進めようとする。すると……。
「あのー……邪魔なら、どきますけどー?」
想楽くんの言葉に顔をあげると、目の前には談話室にいた、カエルに似た風貌の宿泊客が立っていた。
「いえ、そうではないんです。人探しをしているようなので、ぼくも何か情報提供ができればと思いましてね」
カエルが、喋った……? いやまあ、宿泊『客』だし……きっと、人間なのだろう。
「ああ、驚かせてしまってすみません。ぼくはこういうものです」
カエルの宿泊客はそう言って、名刺を差し出す。
「『フリーライター 田中エル』……取材で、来られたのですか?」
「ええ、まあ。普段はカエルの記事を書いているんですがね。今回はちょっと、噂を聞きつけたもので」
古論さんの質問に、田中さんは含みのある返しをした。
「ほう……その噂、内容が気になるな」
葛之葉さんはそう言って、田中さんに視線を向ける。
「笑わないでくださいよ、くだらない噂なんでね。……幽霊です。このペンションに幽霊……しかも、悪霊が出るというんですよ。おかしいでしょう?」
誰も笑わなかった。
葛之葉さんは何やらポツリと呟いたようだが、よく聞こえなかった。
「とにもかくにも調べてみようと来てみたわけです。もし何かあるなら、これはいいネタになると……」
そう、田中さんが言いかけた時だった。
バタリ。
田中さんが、いきなり床に倒れる。
「た、田中さん……!?」
「古論、近寄るな」
倒れた田中さんの元へ駆け寄ろうとする古論さんを、葛之葉さんが制止した。
「ねえ。まさかとは思うけど、これって……」
悪霊の仕業……? 想楽くんは、ぼくとと同じことを思い浮かべているような気がした。
「田中サンが言っていたことが本当だとしたら、厄介だな。こういう時は……」
「雨彦! これを!」
思案している葛之葉さんに、古論さんは何やら小袋のようなものを渡した。
「エーゲ海の塩です。塩は除霊に効果的だと聞きますから!」
「……どうして今、そんなものを持ってるんだろうねー」
再び、想楽くんと考えがシンクロした気がする。
「でも……僕もちょっと使えそうなものはあるかもー?」
そう言って、想楽くんは開運のお守りを取り出す。
どうやら、つい最近大学の友人からお土産でもらったものらしい。
「なるほどな。……お前さん」
葛之葉さんは、こちらに視線を向ける。
ぼくは……。
A エーゲ海の塩を使う
B 開運のお守りを使う
彼らは一足先に談話室を出ようとしていた。
賢君を探すにあたって、一緒に行動してもいいかと尋ねると、3人は快く承諾してくれた。
「それにしても、イソギンチャクに飲まれたように唐突に消えてしまうとは……無事だといいのですが」
「そうだな。とりあえず、このペンション内の全ての部屋を回ってみるか」
古論さんと葛之葉さんの会話に、ぼくはうなずいた。
いろいろなところを回ってみたものの、ペンション内のどの部屋にも賢君はいない。
もう一度、回り直すか……。
気を取り直して歩みを進めようとする。すると……。
「あのー……邪魔なら、どきますけどー?」
想楽くんの言葉に顔をあげると、目の前には談話室にいた、カエルに似た風貌の宿泊客が立っていた。
「いえ、そうではないんです。人探しをしているようなので、ぼくも何か情報提供ができればと思いましてね」
カエルが、喋った……? いやまあ、宿泊『客』だし……きっと、人間なのだろう。
「ああ、驚かせてしまってすみません。ぼくはこういうものです」
カエルの宿泊客はそう言って、名刺を差し出す。
「『フリーライター 田中エル』……取材で、来られたのですか?」
「ええ、まあ。普段はカエルの記事を書いているんですがね。今回はちょっと、噂を聞きつけたもので」
古論さんの質問に、田中さんは含みのある返しをした。
「ほう……その噂、内容が気になるな」
葛之葉さんはそう言って、田中さんに視線を向ける。
「笑わないでくださいよ、くだらない噂なんでね。……幽霊です。このペンションに幽霊……しかも、悪霊が出るというんですよ。おかしいでしょう?」
誰も笑わなかった。
葛之葉さんは何やらポツリと呟いたようだが、よく聞こえなかった。
「とにもかくにも調べてみようと来てみたわけです。もし何かあるなら、これはいいネタになると……」
そう、田中さんが言いかけた時だった。
バタリ。
田中さんが、いきなり床に倒れる。
「た、田中さん……!?」
「古論、近寄るな」
倒れた田中さんの元へ駆け寄ろうとする古論さんを、葛之葉さんが制止した。
「ねえ。まさかとは思うけど、これって……」
悪霊の仕業……? 想楽くんは、ぼくとと同じことを思い浮かべているような気がした。
「田中サンが言っていたことが本当だとしたら、厄介だな。こういう時は……」
「雨彦! これを!」
思案している葛之葉さんに、古論さんは何やら小袋のようなものを渡した。
「エーゲ海の塩です。塩は除霊に効果的だと聞きますから!」
「……どうして今、そんなものを持ってるんだろうねー」
再び、想楽くんと考えがシンクロした気がする。
「でも……僕もちょっと使えそうなものはあるかもー?」
そう言って、想楽くんは開運のお守りを取り出す。
どうやら、つい最近大学の友人からお土産でもらったものらしい。
「なるほどな。……お前さん」
葛之葉さんは、こちらに視線を向ける。
ぼくは……。
A エーゲ海の塩を使う
B 開運のお守りを使う