さいこうの夜 THE 虎牙道篇 その1
聞き込みを行う前に、ペンション内を探してみよう。
ぼくは暫し考えて、THE 虎牙道に協力を仰ぐことにした。
賢くんはきっと、なんらかの事情で戻るに戻れない状況にあるはずだ。(※「賢くん」→「賢君」)
THE 虎牙道の体力と卓越した格闘センスが役に立つに違いない。
ぼくは談話室の隅にいる3人の元へ向かった。
3人に事情を説明すると、案の定小競り合いが始まってしまった。
「オレ様は行かねー。なんであのヘナチョコのためにオレ様が動かなきゃいけねーんだよ」
「おい、オマエ……」
「まあまあ。賢にはいつも世話になってるだろう?」
「あ? アイツの世話になんかなってねー!」
円城寺さんがなだめてくれるもの、話は平行線だ。
するとタケルが少し怒った表情で漣に苦言を呈す。
「いい加減にしろ。今は非常事態だ」
「ヒジョウもクソもねーよ、バァーカ。……そうだ。オマエがオレ様に頭下げるっつーなら考えてやらなくもないぜェ」
漣がタケルを煽るように悪態をつく。
円城寺さんはぼくを見て申し訳なさそうな顔をし、2人を止めに入ろうとした。
しかし、タケルの一言がそれを止める。
「わかった」
そう言ってタケルが漣に向かって深々と頭を下げた。
漣は予想外の出来事に、あっけにとられている。
「同じ事務所の仲間がピンチなんだ。頭くらいいくらでも下げてやる。だからオマエも手伝え」
ばつが悪くなった漣はタケルから目をそらす。
「チッ、行きゃあいいんだろ、行きゃあ!」
そう言って、立ち上がり廊下へ向かった。
タケルも漣の後を追う。
残されたぼくと円城寺さんは顔を見合わせた。
「ははっ! こういうこともあるんスね!」
そう言って円城寺さんは笑った。
家族の成長を感じたような、どこか感慨深い表情にも見えたのは、ぼくの気のせいだろう……。
「さぁ、賢を探しに行くッスよ、師匠!」
円城寺さんは笑顔でぼくに言った。
ぼくたちか賢君を探していると、チリンと言う鈴の音と共に1匹の猫が現れた。(※「ぼくたちか」→「ぼくたちが」の誤字)
「可愛い猫ッスね…!」(※三点リーダー2個抜け)
円城寺さんの一言にぼくも同意する。
そう言えば、こういう時のために猫じゃらしを持ってきたんだった!
ガサゴソとポケットを漁っていると
「覇王!」「チャンプ」
同時に2人の声がした。
「チビ、テメェ。覇王だっつってんだろ?」
「覇王じゃない。チャンプだ」
「はは! 2人とも、そこまでだ。こいつは覇王でもチャンプでもないぞ!」
そういって円城寺さんが猫を撫でる。
「首輪がついてるから、ここの飼い猫かもしれないっスね」(※「っスね」→「ッスね」の誤字)
ぼくは猫の気を引こうと取り出した猫じゃらしを揺らしてみた。
しかし、猫は円城寺さんに撫でられて気持ちよさそうにしている。ぼくの方には見向きもしない。
「よく似てるけど、尻尾の色がちょっと違うな」
「ハッ、ニセ覇王かよ」
漣は興味を失ったようだが、タケルはゴロゴロと喉を鳴らす猫の額をそっと撫でる。
気持ちよさそうに猫が鳴いた。
「それにしても……、賢はどこに言ったんだろうな」(※「言った」→「行った」の誤字)
円城寺さんがボソッと呟いた。
「ああ。手がかりになりそうなものも見当たらない」
「めんどくせェ……ほっときゃ帰ってくんだろ?」
みんなで賢君の行方について話していた時、猫がするりと漣の足元に移動した。
ニャァと泣きながら漣とタケルの足元をクルクルと回る。(※「泣きながら」→「鳴きながら」誤字)
首元の鈴をチリンと鳴らしてそのまま廊下へ向かうと、ぼくたちを誘うように見つめた。
A 猫を追う
B 猫を追わない
ぼくは暫し考えて、THE 虎牙道に協力を仰ぐことにした。
賢くんはきっと、なんらかの事情で戻るに戻れない状況にあるはずだ。(※「賢くん」→「賢君」)
THE 虎牙道の体力と卓越した格闘センスが役に立つに違いない。
ぼくは談話室の隅にいる3人の元へ向かった。
3人に事情を説明すると、案の定小競り合いが始まってしまった。
「オレ様は行かねー。なんであのヘナチョコのためにオレ様が動かなきゃいけねーんだよ」
「おい、オマエ……」
「まあまあ。賢にはいつも世話になってるだろう?」
「あ? アイツの世話になんかなってねー!」
円城寺さんがなだめてくれるもの、話は平行線だ。
するとタケルが少し怒った表情で漣に苦言を呈す。
「いい加減にしろ。今は非常事態だ」
「ヒジョウもクソもねーよ、バァーカ。……そうだ。オマエがオレ様に頭下げるっつーなら考えてやらなくもないぜェ」
漣がタケルを煽るように悪態をつく。
円城寺さんはぼくを見て申し訳なさそうな顔をし、2人を止めに入ろうとした。
しかし、タケルの一言がそれを止める。
「わかった」
そう言ってタケルが漣に向かって深々と頭を下げた。
漣は予想外の出来事に、あっけにとられている。
「同じ事務所の仲間がピンチなんだ。頭くらいいくらでも下げてやる。だからオマエも手伝え」
ばつが悪くなった漣はタケルから目をそらす。
「チッ、行きゃあいいんだろ、行きゃあ!」
そう言って、立ち上がり廊下へ向かった。
タケルも漣の後を追う。
残されたぼくと円城寺さんは顔を見合わせた。
「ははっ! こういうこともあるんスね!」
そう言って円城寺さんは笑った。
家族の成長を感じたような、どこか感慨深い表情にも見えたのは、ぼくの気のせいだろう……。
「さぁ、賢を探しに行くッスよ、師匠!」
円城寺さんは笑顔でぼくに言った。
ぼくたちか賢君を探していると、チリンと言う鈴の音と共に1匹の猫が現れた。(※「ぼくたちか」→「ぼくたちが」の誤字)
「可愛い猫ッスね…!」(※三点リーダー2個抜け)
円城寺さんの一言にぼくも同意する。
そう言えば、こういう時のために猫じゃらしを持ってきたんだった!
ガサゴソとポケットを漁っていると
「覇王!」「チャンプ」
同時に2人の声がした。
「チビ、テメェ。覇王だっつってんだろ?」
「覇王じゃない。チャンプだ」
「はは! 2人とも、そこまでだ。こいつは覇王でもチャンプでもないぞ!」
そういって円城寺さんが猫を撫でる。
「首輪がついてるから、ここの飼い猫かもしれないっスね」(※「っスね」→「ッスね」の誤字)
ぼくは猫の気を引こうと取り出した猫じゃらしを揺らしてみた。
しかし、猫は円城寺さんに撫でられて気持ちよさそうにしている。ぼくの方には見向きもしない。
「よく似てるけど、尻尾の色がちょっと違うな」
「ハッ、ニセ覇王かよ」
漣は興味を失ったようだが、タケルはゴロゴロと喉を鳴らす猫の額をそっと撫でる。
気持ちよさそうに猫が鳴いた。
「それにしても……、賢はどこに言ったんだろうな」(※「言った」→「行った」の誤字)
円城寺さんがボソッと呟いた。
「ああ。手がかりになりそうなものも見当たらない」
「めんどくせェ……ほっときゃ帰ってくんだろ?」
みんなで賢君の行方について話していた時、猫がするりと漣の足元に移動した。
ニャァと泣きながら漣とタケルの足元をクルクルと回る。(※「泣きながら」→「鳴きながら」誤字)
首元の鈴をチリンと鳴らしてそのまま廊下へ向かうと、ぼくたちを誘うように見つめた。
A 猫を追う
B 猫を追わない